音楽と美術

古くから、音楽と美術は相互に影響しあって発展してきた。音楽家が異分野の美術から影響、そしてインスピレーションを得て作品を生み出すことは少なくない。当コラムではその一部を紹介していきたい。

美術作品から影響を受けた音楽としておそらく一番有名なのは、ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』であろう。彼の友人である画家ハルトマンは39歳の若さで急死した。翌年、ハルトマンの遺作展が開催され、ムソルグスキーは彼の絵の印象からピアノ組曲を作曲した。

印象派の作曲家、ドビュッシーは、日本の作品に影響を受けて作曲した。彼は海が好きであった。彼の海は旅行者として眺めた海、その海の印象の幻影であった。交響的写生『海』は葛飾北斎の版画『富岳三十六景』から感動を得て作られたのである。

イタリアの作曲家レスピーギはルネサンスの画家ボッティチェリに影響を受けた。ボッティチェリの代表作の三枚の絵『春』『東方の三博士の礼拝』『ヴィーナスの誕生』から受けた印象を音楽によって表現した『ボッティチェリの三枚の絵』を作曲した。

美術作品は本来「見る」ものであるが、あえて耳をすませて向き合うことでより感覚が研ぎ澄まされ、深く作品に入り込めることもある。私はこのコラムを読んだ方が、目と耳を使うことで想像力を沸き立たせ、新たな世界に出会えることができるよう願っている。

Y.S

 

参考文献

・野本由紀夫編著「クラシックの名曲解剖」株式会社ナツメ社、2009427日初版発行

・ムソルグスキー『展覧会の絵』スコア、全音楽譜出版社

・ドビュッシー『海』スコア、全音楽譜出版社

 

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