美術館とインスタ映え
近年、見栄えの良い写真をSNSに掲載するために美術館に訪れる人が多く見られる。いわゆる「インスタ映え」を狙った来館者たちである。その来館者の中には、大声で騒いで撮影をする人や、展示鑑賞をせず美術館で自分を撮影して満足し、去ってしまう人もよく見られる。こういったマナーの悪い来館者の影響で「美術館で写真を撮る人」自体が嫌厭されてしまうこともあるだろう。
しかし、「インスタ映え」を求めた写真撮影は、全て迷惑行為であると言い切ってしまって良いのだろうか?例えば、インスタグラムにおいて21万人のフォロワーを擁する東京都の森美術館では、「インスタ映え」すると評判になるくらい拡散力のある展示を行い、来館者数を伸ばしている。多くの展覧会での撮影を可能にするとともに、専任の担当者を置いて、SNSをはじめとしたデジタルマーケティングに取り組んだ。結果、森美術館の展覧会は、日本全国の数ある美術館の中でも、常に年間来場者数上位を独占しているのだ。最近も、「塩田千春展:魂がふるえる」(2019年)では、66万6271人もの動員を記録した。このように、「インスタ映え」する写真は、普段美術に触れない人に情報を伝え、美術館に訪れるきっかけを生んでいるといえる。
美術の魅力発信や美術館の来館者数増加に期待できる、「インスタ映え」。「インスタ映え」を先入観で切り捨てることなく、写真撮影をする際は最低限のマナーを守りながら、美術鑑賞を老若男女で楽しもう。
参考
森美術館「塩田千春展」、66万6271人の入場者数を記録。同館歴代2位
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/20815
Y.M
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